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【高校生】高校生で続ける理由、戻ってくる理由

当塾では、中学卒業と同時に、生徒本人から「高校生になっても通います」と言ってこない限り、塾も卒業になります。

私が社員として勤めていた某個別指導塾では、「(売上と業績維持のために)高校継続に繋がるよう、はたらきかけましょう」という方針で、中学卒業のタイミングで、生徒に対して中学で終わらず高校も続けるよう勧誘しなくてはいけなかったのですが、正直、高校では塾に通う必要のないだろう生徒にまで、アレコレと理由を並べ、続けてもらえるよう苦心するのは辛かったです。

それよりも、志望校に合格したのを一緒に喜んで、「いつでも戻っておいで!」と、送り出したほうが、私も生徒も気持ちが良いので、当塾では生徒が自分から「続けたい」と言わない限り、塾も卒業してもらっています。

このスタイルで、丸7年経ちまして8年目に入っています。1年目の卒業生から改めてカウントしてみますと、中学卒業後に希望して継続、または戻ってきた生徒が約4割でした。最初の生徒が戻ってきた時から、毎年のように誰かしら戻ってくるので「意外と戻ってくるんだな~」なんて思っていたのですが、こうして数字で出してみると感慨深いものがあります。そして、この「継続または戻ってきた生徒が4割」というのは、(同じ塾業界の人がみてどう思うかは別として)個人的にはとても誇れる数字です。

さて、この継続した生徒と戻ってきた生徒のそれぞれの理由を思い返してみたいと思います。

まず、継続した生徒の理由です。それは「1年のうちから成績上位をとり、志望通りの推薦をもらうため」です。大学進学や就職で、意中の大学や会社に推薦してもらうためには、1年生から3年生までの3年間の成績全てが大切になります。ですので、1年生の1学期からしっかりと準備して3年後に備えたい生徒は、高校生になっても継続しています。実際に、これまでに継続した生徒は全員、第一志望の大学や会社に入っていますし、元々志望していたところよりも上にいったケースもあります。中学生の頃と比べ、教科は細かく分かれますし、場合によっては専門的になりますが、中学の頃から学校の授業を中心に定期テストなどを大切にしてきましたので、高校でも同じように学校の授業内容を中心に対策をするので、教科は変われど実際にやっていることは変わりません。「継続は力なり」と言いますが、「行うは難(かた)し」で続かない人もいる中、彼・彼女たちは目的意識を持って、コツコツと本当によくやったと思います。

次に、戻ってきた生徒の理由です。それは「学校の授業についていけなくなったから」です。中学までは塾で予習や復習をやっていたので、学校の授業で聞き逃したり、質問できなかったりしても、塾で解決できていたのですが、高校で一人でやっていくうちに、そういった小さな躓(つまず)きが積み重なって、分からないところがどんどん増えて、成績が思うように取れなくなって戻ってきたのです。また、高校入学を機に、思い切って一斉形式の塾に通ってみたけど、合わなかったので、戻ってきたというケースもあります。

高校は、中学までと違い、教科書やワークが学校ごとで異なります。そのため、一斉形式の塾やオンライン(映像授業)の塾だと学校の教科書とズレてしまい、「学校の授業で分からないところがある。」「塾の授業でも分からないところがある。」という状態になり、学校の成績も、塾の模試もパッとしなくなってしまうというのは、よくある話です。また、一斉塾の場合、質問しに行っても、他の生徒が既に並んでいて、並んでいる内に時間がなくなってしまって、結局質問できないということも、耳にします。こういった事情もあり、他の塾に行く選択肢もある中、戻ってきてくれたのだろうと、個人的には思っています。

高校生になって、一度、当塾を離れてみて、その上で必要性を感じて戻ってきてくれていますので、皆、「今日、学校でココやったんですけど、意味が分からなかったんで、先に説明してもらってもいいですか。」や、「今日はこの単元をやりたいです。」や「テストが近いんで、いつもの英語じゃなく、古典やってもいいですか。」など、自ら勉強したいところを持ってきてくれます。本人の意思で取り組んでいますので、最後まで集中でき、しっかりと身に付きます。

生徒にとって、大学進学や就職は、数年先のことですが、そこに辿りつくまでに毎日コツコツと取り組む姿勢を身に付けることは、もっと先の人生においても、とても良い影響があるのではないかと思っていますし、そうであることを信じています。